子育て中、急な発熱はつきもの。
でも、病院に行くべきか、自宅で様子を見るか、判断に迷いますよね。
特に夜間や休日は病院も閉まっていて、不安が増します。
看護師としての知識と、母としての経験の両方を活かして、「こんなとき、どうする?」を一緒に考えてみましょう。
1. 発熱の基準と見極め方
子どもの体温が上がると、最初はどうしても焦ってしまいます。
発熱時に慌てないために最も大切なことは、熱の高さだけで重症と判断しない、ということです。
子どもはまだ発達が未熟で体温調節がうまくできないこともあり、高熱でも元気にしている場合があります。
高熱=必ずしも心配なサインではないことを覚えておきましょう。
体温には個人差があり、同じ子どもでも、1日の中で体温が変動します。
熱があるから病気だと決めつけるのではなく、具合が悪そうだからこそ熱を測る、という認識を持つことが大切です。高熱に驚かず、落ち着いて次の点を守りながら体温を測定しましょう。
- 脇の汗を拭き取る
汗をかいていると、体が火照ったり、体表が冷えたりして正確に測れません。体温を測る前に汗を拭き取り、脇をよく乾かしましょう。 - 状況を確認する
食後や運動後、入浴後、眠いときなどは体温が一時的に高くなります。こうした状況を外して測るようにしましょう。 - 測り直してみる
体温が高いと感じたときは、1回だけで異常と決めつけず、30分ほど時間を置いて測り直す習慣をつけると安心です。
例えば、38℃以上の高熱でも、元気に遊んでいたり、食欲もあれば、解熱剤を使う必要はありません。
しかし、熱が高くて苦しそうな場合は、無理に薬を我慢させることも避けた方がいいでしょう。
体が苦しいと感じているときは、解熱剤を使ってあげることを考えます。
熱を下げることで、体が楽になり、休息をとりやすくなるからです。
発熱は体が感染と戦っているサインなので、冷静に観察しながら、自宅でケアすることが大切です。
状況に応じて、適切な対応をしていきましょう。
2. 受診を考えるべき症状・状況
次に、受診が必要なタイミングを見極めましょう。
以下の症状がある場合、早めに病院に連絡したり、受診を検討することが大切です。
- 生後3ヶ月未満での発熱(38℃以上)
- ぐったりしている、呼びかけに反応が薄い
- 水分が摂れない、尿が出ていない
- 息が荒い/ゼーゼーしている
- 発疹やけいれん、嘔吐を伴う熱
- 高熱が3日以上続く
これらの症状が見られる場合は、すぐに病院に相談しましょう。
体調の変化に敏感に対応することが大切です。
3. 自宅でのケア方法
病院に行かず、自宅で様子を見ながらケアする場合、以下のポイントに注意して過ごしましょう。
- 解熱剤の使い方:熱が高いからといって早く使う必要はありません。解熱剤は「熱が高いから」ではなく、「つらそうだから」使うことが基本です。特に小さいお子さんには、適切なタイミングで使用しましょう。
- 冷却方法:場所としては、わきの下や足の付け根を冷やします。保冷材にガーゼを巻いて冷やしてあげましょう。寒気を感じる場合は、冷やすのは逆効果なので注意しましょう。
- 熱が上がりきったサイン:熱が上がりきると、手足が温まり、顔に赤みが出てきます。また、汗をかき始めるのも特徴です。熱が上がりきるまでは寒気を伴うこともあるため、その場合は体を温めてあげる方が良いでしょう。
- 水分補給:水分をこまめに取らせてあげましょう。ゼリー飲料や経口補水液も役立ちます。
- 休養が最優先:睡眠と安静が最も重要です。テレビやスマホを控えめにして、できるだけ静かな環境で休ませましょう。
「冷えピタ=熱を下げる」は誤解です!
おでこを冷やすのは“気持ちよさ”を目的にした対処法。
本当に体を冷やすなら、わきの下や足のつけ根を冷やすのが効果的です。
寒気があるときは無理に冷やさず、体を温めるのが基本です。
4. 「こんなときどうする?」よくある質問
- 夜間や休日はどうしたら?
夜間や休日は診療時間外で受診が難しいことがありますが、以下のような方法で対応できます。- 小児救急電話相談 #8000(都道府県によって異なる対応時間)
- ファストドクター:電話で簡単に相談でき、自宅に訪問してくれるサービス
- 地域の休日診療所:自治体のホームページで確認し、事前にチェックしておきましょう。
- コロナやインフルエンザの可能性は?
発熱がコロナやインフルエンザの可能性もあるため、症状に加えて周囲で流行しているかを確認し、必要に応じてPCR検査を受けることも考慮しましょう。
5. 看護師ママの体験談とアドバイス
私も何度も迷った経験があります。
特に夜間、子どもが急に発熱したときは本当に焦りました。
私もフルタイム勤務をしていた頃、子どもが土日に発熱して焦ったことが何度もありました。
仕事のことや保育園の登園基準を考えると、感染症かどうかだけでも早く知りたいと思い、夜間往診の「ファストドクター」を利用したこともあります。
また、子どもが夜中に「耳が痛い」と泣いて寝られなかったときには、#8000(小児救急電話相談)に電話してアドバイスをもらい、近くの薬局で解熱鎮痛剤を買って対応したこともありました。
不安なときこそ、相談窓口を活用しましょう。
その一歩が、心の余裕を生む大事な瞬間になります。
まとめ:焦らず、冷静に。まずはできることから
急な発熱に直面したとき、慌ててしまうのは当然です。
でも、そんなときこそ、冷静に判断し、適切に対応することが大切です。
発熱が必ずしも病院受診を意味するわけではなく、自宅でできるケアで十分なこともあります。
もしも不安なときや判断に迷ったときは、相談窓口やオンラインサービスを活用してみてください。
あなたとお子さんの健康を守るために、今できることを実践していきましょう。